設計ツールについて

ここでは設計ツール=設計書を書くためのソフトとします。このときよく使われる順に設計ツールを並べると、こんな風になると感じています。

 EXCEL > Word > 専用の設計ツール

なぜExcelが頻繁に使われるのか? 「無料だから」とか「みんな持っているから」とよく言われますが、自分はそこに「書式が自由だから」を強くプッシュします。

Excelは本来「表計算」を実現するためのツールですが、設計ツールとしてはセルを一文字分に縮めたいわゆるExcel方眼紙として使われます。Excel方眼紙のよいところは、何を書いても自由というところです。字が書きたければ字が書け、図を描きたければ図が描けます。

Wordは本来「アウトラインを持つ文書を作成する」ためのツールです(※垂れ流しの駄文を書くものではないのですよ!)。ある程度自由に字はもちろん図表も書くことができますが、文書全体を章立てすることで設計書としての完成度をより高めることができます。

そしていわゆる専用の設計ツール。これはそのツールの使い方、あるいはツールで作成する設計書のバックグラウンドを知らないと使いこなすことができません。例えばER図やDFDを作成するためのDOA設計ツールは、ER図やDFDの記法ルールを知らないと使うことができないのです。

それほど短くない期間をシステム開発して過ごしてきましたが、UML、ERD、DFD、フローチャートといった設計手法の記法ルールはおろか、構造をもった文書の作成という一般教養的なスキルのない人が、選択の余地なくExcel方眼紙を使っているというのが現状なのです。そのように書かれた設計書は、もはやルール無用の単なる広告の裏のメモ書きと大差ありません。

さよならExcel方眼紙を実現するためには、設計ツールのさらなる高性能化ではなく、ベースとなる設計手法の啓蒙学習が必要なんじゃないかなと思う、今日この頃です。せめて自分の周りだけでも。